目次
1. 2025年度の公立受験について
2025年度の公立受験が2月27日に行われ、3月11日に合格発表となりました。今年度の高校入試はどうだったのか、昨年やこれまでの受験とどう変わったのか、全体の受験者についてお伝えします。

2. 募集が減った!
今年度の受験では、名古屋市内の中学3年生の生徒数が減少したことにより、公立高校側もクラスを減らす高校が多くありました。
【定員減となった高校】
名古屋地区
- 松蔭高校
- 中村高校
- 天白高校
- 名古屋南高校
- 山田高校
尾張地区
- 小牧南高校
- 一宮北高校
また、新設学科を始める以下の高校も普通科のクラスを1クラス(40人)分減らしました。
- 惟信高校(未来探求)
- 美和高校(地域探求)
名古屋の高校を中心に激戦が予想されていましたが、結果はどうだったのでしょうか?
3. そもそも名古屋志向が強い
上記に挙げた「名古屋地区」の5校は、もともと人気校であり、定員割れとは程遠い学校です。
名古屋市内で定員割れをする高校は非常に少なく、定員割れの主な原因が「交通の便の悪さ」であることからも、市内の高校が定員割れすることはほぼありません。
逆に、名古屋市周辺の地域から市内の高校に生徒が流れ込んできており、郊外の公立高校は厳しい状況に立たされています。
さらに、最近では私立高校への受験者・進学者も増加しているため、「電車で名古屋に行く」という行動にハードルを感じない生徒が増えているようです。
4. 実際に定員減の高校は激戦だったか?
それでは、「名古屋地区」で定員減となった5校の志願者数と倍率を見てみましょう。
高校名 | 今年度 志願者数 | 今年度 倍率 | 前年度 倍率 |
松蔭高校 | 835 | 3.08 | 2.76 |
中村高校 | 779 | 3.15 | 2.55 |
天白高校 | 946 | 3.14 | 2.64 |
名古屋南高校 | 568 | 2.21 | 2.48 |
山田高校 | 626 | 2.58 | 2.00 |
名古屋南高校以外は、倍率が上がり、厳しい戦いになったことがわかります。
名古屋南高校は近いレベルの高校が多いため、受験者がそちらに流れたと考えられます。実際に、近くの「熱田高校」の倍率は 2.83 → 3.21 と大きく増加しました。
定員減となった高校は、もともと人気校であったため、志願者が急激に減ることはなく、倍率が上昇する結果となりました。
5. 定員割れは減ったのか?
ここ数年、公立高校の定員割れは2,000人台で推移し、問題視されています。
【2025年度の定員割れ数】
- 2,408人!
- 昨年(2024年):2,059人
- 一昨年(2023年):2,339人
ここ3年間で最も多い数となりました。
【定員を減らした高校(14校・計560人分減)】
- 松蔭高校
- 名古屋南高校
- 中村高校
- 天白高校
- 山田高校
- 緑高校
- 小牧南高校
- 五条高校
- 一宮北高校
- 津島高校
- 常滑高校
- 瀬戸北総合高校
- 愛西工科高校
と計14校 560人分定員を減らしています。

6. 2026年以降の入試はどうなるのか
この話をする前に、まず愛知県の公立高校の定員の決め方について説明します。
【公立高校の定員の決め方】
公立高校はそもそも「地域に一校あるもの」という意味合いで作られています。もともとは、レベル差や志願者数をあまり考慮せず、「みんなが通える高校」として設置されました。
しかし、現在ではレベル差が生まれ、
- 人気校
- 交通の便が悪い高校
- 志願者数の差が大きい高校
などが出てきています。
とはいえ、公立高校の定員は「地域の中学3年生の数」によって決まるため、「不人気校だからすぐに定員を減らす」というわけではありません。
例えば、三河地区では子どもの数の減少が少ないため、今回も募集人員が減った高校はありませんでした。

【今後の受験環境の変化】
現時点での定員割れの主な原因は、
子どもの人口減少よりも「私立高校・通信高校への進学者の増加」
この傾向は今後さらに加速すると考えられます。
特に、「私立高校の無償化」の動きが進んでおり、今以上に私立高校への進学を希望する家庭が増えるでしょう。
そうなると、公立高校への進学者は相対的に減少し、
- 人気校の倍率は変わらず高いまま
- 郊外の定員割れをしている高校は回復が難しくなる
という状況が続くと予想されます。
まとめ
2025年度の高校受験では、定員減や志願者の流れによって競争が激化しました。
✅ 名古屋市内の高校は引き続き人気が高い
✅ 郊外の高校は定員割れが深刻化
✅ 私立高校への進学者増加が公立高校に影響を与えている
今後の受験環境の変化を見据えながら、最適な進路選択を考えていくことが重要です。
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